第217章

  ようやく一つ抜けただけだ。まだどれだけ罠が残っているかもわからない。

  丹羽光世は島宮奈々未の手を強く握り、前方を深い眼差しで見据えた。

「急いで先へ行くぞ。時間になったら、また状況が変わる」

「さっき、十二時間経てば天瀬震が入って来られるって言ってたじゃない」

「入れるのは数分だけだ。それに、あいつがシステムを止めるかどうかもわからない」

  島宮奈々未は険しい表情で言い切る。

「もしあの人が、私たちをここで殺す気なら……一周終わったあと、必ず次の周回を始める。暗夜と天狼、両方のトップをここに閉じ込められるなんて、滅多にないチャンスだもの。たとえ私たちが死んでも、天瀬震な...

ログインして続きを読む